【わたしは澤村雪に…】ましろのおと ♯9 風花【勝ったのか?】
《雷先輩、行け!》 《もし、物憂いイメージだったらごめんね。 あたし、楽しいのが好きなの!》演奏本番直前、雪が雷に持ち掛けた「変則的なこと」。それは長唄の手を入れること。雪のイメージは「雪とか桜が舞ってるみたいな(曲調)」でしたが、雷先輩のチョイスは同じ舞うでも紙吹雪。突然、じょんがら節に割り込んで来たのは大薩摩節。 江戸浄瑠璃の一派として大薩摩主膳太夫(おおざつましゅぜんだゆう)が創始し、伴奏音楽として栄えたものの、やがて衰退。最終的には長唄に吸収され、現代でも歌舞伎の演目に使われている豪壮な曲節。度肝を抜かれる観客と審査員。それは奏者も同様。『これ、面白ぇ』 『楽しい』 『弾きやすいじゃん…