52、忘れたくない
お風呂に入り、1日の終わりをゆっくり迎えようとしていた時、一通のLINEが入った。 久しぶりの相手からだ。 かつて私は音を、そして歌を仕事にしていた。 どこか取り憑かれたように勉強してちょっとした進学校に入った身だが、そこで見事に燃え尽き症候群か一気に勉強することが億劫で面倒くさくて成績は落ちる一方だった。 軽い気持ちでサボった模擬テストの日に、担任から母へと電話が行き中学生までは真面目一直線だったために帰宅した時に母は悲しいと泣いていたものだ。突然のお勉強リタイアに母も驚いての涙だったんだろう。 そしてその『もう受験めんどくさい』燃え尽き感は高校3年になっても持ち合わせたままで、周りがこぞっ…